動物写真家の岩合光昭さんの、日本全国47都道府県のたちを訪ねる旅。今回は愛知県の足助(あすけ)町を訪ねた。

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 何食わぬ顔で、雛壇に鎮座する猫。メス猫かと思いきや、この牛乳店で暮らす、オス猫のまる君だ。 

 豊田市の足助町は、三河湾から信州への「塩の道」であった伊那街道の重要な中継地。馬で荷物を運搬する「中馬(ちゅうま)」の宿場町として栄え、江戸時代からの街並みが残る。重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている街道沿いの家々では、この時期、色鮮やかな雛人形が玄関先に飾られ、観光客の目を楽しませている。運が良ければ、一風変わった猫のお内裏様に会えるかも。

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週刊朝日 2015年3月13日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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