ホリエモン「楽天がヤフーを抜いた理由」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ホリエモン「楽天がヤフーを抜いた理由」

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※イメージ写真

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 2月19日、東京株式市場では大きな変化が起きた。楽天が時価総額でヤフーを一時上回ったのだ。その理由を実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が分析する。

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 楽天の時価総額が一時ヤフーを抜いたそうな。

 それもそうだろう。ヤフーは前社長の長期政権時代に安定した成長を重視して積極的な新規事業投資を怠ってきた。

 しかし、それは仕方がない部分もある。そもそも上場企業とはいえソフトバンクの子会社である。福岡にソフトバンクの球団ができれば、ドームのネーミングライツを買うハメになったり、ソフトバンクがウィルコムとイー・アクセスを買収してワイモバイルにし、それを引き受けさせようとしたり(これはソフトバンクの傘下であるヤフーの子会社になっても新しいキャリアとはみなされず、周波数を新規にソフトバンクモバイルとは別に割り当てられるというもくろみが外れて、結局ソフトバンクモバイルと合併することになったけど)と、楽天と違って自由にいろいろな企業を買収することができなかったことが大きい。

 買収するにしても国内の企業に限られていて、グローバル化の時代に大きな足かせをはめられているようなものだ。結果としてヤフートピックスやヤフオク!、検索が集めるトラフィックから稼ぐという従来型のビジネスしかできないような状況だった。

 数年前に経営陣が若返り、積極投資を進めているが、まだまだその成果は十分に出ていない。ネット系での成長分野といえば、スマホゲームやニュースアプリなどだが、スマホゲームはソフトバンクグループのガンホーやスーパーセルとの兼ね合いもあり、積極的に展開はできないだろう(まるで旧ソ連時代のロシア以外の国々のようだ。資源があってもソ連内の他の国に比べ効率が悪いとみなされ採掘が許されない)。

 ニュースアプリも新興勢力にヤフートピックスのユーザを食われている状況だ。PCからスマホへのシフトをもっと急がないと厳しい状態が続くだろう。

 一方の楽天。好調なのは国内のEC事業と金融事業である。積極的に海外へと進出してはいるものの、日本事業に比べると大したことはない。国内で成功したモデルを海外へと適用できているかといえば疑問だ。

 社内の公用語を英語にしたりしてグローバル化を急いではいるが、まだまだ課題は山積している。そんな国内事業もスマホシフトに後れを取っており、新興勢力のフリマアプリなどにこれから追われていく立場にある。未上場での資金調達が活況を呈しているため、採算度外視でユーザ集めに走っている。そのため楽天のマーチャント(小売業)がそちらに流れつつあるからだ。好調な金融事業もその煽りを食っていく可能性は十分にある。

 例えば決済手数料を0%にしたメタップス社のSPIKEのようなサービスがこれから広がっていくはずだ。そちらとも楽天は戦わなくてはいけない。PC時代の日本のネットサービスの両雄はスマートフォン時代に対応できるスピード感を維持できるのだろうか。イノベーションのジレンマに陥らないように危機感を持って対応すべきだと思われる。

週刊朝日 2015年3月13日号


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