夫「ハハハ。僕も女優さんと聞いて『きれいな人だな』とは思いましたけど、本当に家族ぐるみで仲が良かったので、最初から完全に“お姉ちゃん”と“弟”の関係だったんです」

妻「7歳下だしね。私はもともと一人っ子ですが、母が再婚して連れ子の弟ができたんです。その弟と彼は1歳しか違わない。だから感覚的には完全に弟ですよ。異性という目では一切見ていなかったですね。私は太郎君が付き合っていたガールフレンドと一緒に遊んでいたし、太郎君も私のボーイフレンドと一緒に普通に遊んでいた」

夫「でもたぶん、僕は彼女のことをどこかで『こういう女性がいいな』と、理想みたいに思っていたのかもしれない。ガールフレンドを彼女に会わせていたのも『影響されればいいな』みたいなのがどこかにあったのかも、といまは思います」

――2007年、約8年間の“姉弟”関係を経て、夫はついに一歩を踏み出した。

夫「初めて二人でデートしたのは……結婚の半年くらい前だね」

妻「メールで彼が『今、彼氏いるんですか』って聞いてきたんですよ。『ん?』とは思いました。いままでそんなこと聞いてきたことなかったので」

夫「だんだん僕が彼女を、女性として見るようになっていったんだと思うんですよね」

(聞き手・中村千晶)

週刊朝日 2015年3月13日号より抜粋