動物写真家の岩合光昭さんの、日本全国47都道府県のたちを訪ねる旅。今回は千葉県の南房総市を訪ねた。

 褐色の壁に、白黒模様が映える。どこか異国情緒を感じさせる風景に溶け込む猫が、階段でひと休みしている。

 一年を通して温暖な気候に恵まれる、南房総の白渚(しらすか)。白い波しぶきをあげる海岸は、多くのサーファーで賑わう。

 海の近くや漁港を歩いていて、ふと思うことがある。以前は港町には猫がつきもので、探すまでもなかったが、ここ最近めっきり猫との出会いが減り、一抹の寂しさを感じる。猫とのご縁に感謝しつつ、今日も猫旅に行く。

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週刊朝日 2015年3月6日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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