※イメージ写真
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 ホリエモンこと堀江貴文氏は、ドローンと呼ばれる無人飛行機が様々な分野で利用されるだろうとこう予測する。

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 巷で話題の無人飛行機、つまりドローンである。あまり知られていないが、実はドローンにはいろいろなタイプがある。飛行機型のものからマルチコプターと言われるヘリコプターの派生形のものまで多種多様だ。

 飛行機型は翼で滑空するタイプのもので燃料消費が抑えられるため長時間の飛行に向いている。マルチコプターはローターが多ければ多いほど飛行が安定するようだ。

 ずっと前からこの手のいわばラジコンヘリのようなものはあったが、あまり普及することはなかった。それは操縦が難しいからである。そうした弊害があったにもかかわらず、今になってこれだけ普及するきっかけになったのはセンサー類の小型化のおかげだ。

 特に加速度計やジャイロが小型化、低価格化したことは大きい。ドローンは軍用でまず発展したのだが、軍用であれば高額なセンサーを搭載することができる。そこで技術が培われてきたのだ。そのせいもあって世界のドローンメーカーはアメリカについでイスラエルに多い。

 そして昨今のスマートフォンブームである。iPhone4のあたりから半導体ジャイロがスマートフォンに搭載されるようになって劇的に低価格化が進んだ。その恩恵を受けて一般の人も買える価格の超小型ドローンが市場に登場することになったのである。

 そうなると研究開発や商品化も本格化してくる。軍用以外の応用分野が増えてきている印象だ。ホビー用途ではドローンレースなども開催されるようになってきた。先日も日本で初めて堀江貴文サロンのメンバーがドローンレースを主催していた。

 また、スポーツ中継や映画の撮影などの映像用途にも活用されつつある。農業用途では、農作物の生育情報をモニタリングしたり、農薬や肥料の散布などにも使われている。そして昨今、話題を集めているのが物流に使われるケースだ。

 先日、米連邦航空局(FAA)が小型ドローンの商業利用に関する規制を発表したのは、爆弾テロなどに使われる懸念はあるものの、商業利用も促進していこうという決断の表れだ。

 ラストワンマイルの物流は人手に頼っている部分がある。しかし物流倉庫は、すでにかなり自動化されているし、最後の砦だったピッキング作業も一部自動化されつつある。自動運転車も数年以内に実用化されるはずで、トラックなどの輸送は無人化されるだろう。ラストワンマイルまで無人化されると物流の世界は大きく変わるにちがいない。

 無人機の制御技術はロケットの制御技術と共通部分が多い。ロケットも無人機の一種であるからだ。各種センサーからインプットした情報を処理して制御システムにフィードバックするのである。ロケットはジンバルなどの仕組みで制御するが、ドローンは空力制御しているという違いだからである。

 軍民連携がタブー視される日本ではドローンの技術はあまり発展してこなかったが、これからが本番なのではないだろうか。

週刊朝日 2015年3月6日号