「弱くても勝てます」原作ヒットの裏には妻の疑問 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「弱くても勝てます」原作ヒットの裏には妻の疑問

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週刊朝日#結婚
ノンフィクション作家の高橋秀実さん(右)と個人秘書の栄美さん夫妻(撮影/写真部・大嶋千尋)

ノンフィクション作家の高橋秀実さん(右)と個人秘書の栄美さん夫妻(撮影/写真部・大嶋千尋)

 昨年、嵐の二宮和也主演でドラマ化された「弱くても勝てます」(日本テレビ系)。この作品の原作者にしてノンフィクション作家の高橋秀実さんは、今年銀婚式を迎える妻・栄美さんのおかげで、そのヒットがあったという。栄美さんは、元フリー編集者で、現在は夫の秘書。

――結婚から10年を経たころ、妻は過労で体調を崩し「休業」を宣言。ようやく「仕事しなきゃ」と、夫のエンジンがかかった。

妻「とにかく呑気なひとで。『もう私、働くのをやめます』と宣言したんです。荒療治をやらないとダメだなと思って」

夫「……」

――“笑えるダイエット・ノンフィクション”と人気を呼んだ「やせれば美人」の単行本の出版が2005年。対話の相手として妻が文中に頻々と登場する。それも「デブ、デブ」と形容されて。

夫「デブはあったかいんですよ。彼女は色白で立山の雷鳥みたいですし」

妻「事実デブなので、仕方がない(笑)。ノンフィクションですから。それに原稿をチェックしているときは、編集者になっちゃうんです。私の発言でも、私じゃないひとが言ったふうに読めるんですよね」

夫「もともと彼女を取材するつもりはなかったんですよ。ダイエットに成功したひとに話を聞こうとしたんですが、ダイエットの世界には嘘があるというか、本当かどうかは一緒に暮らさないと検証しようがない。じゃあ妻に聞くかと。あっ、また『じゃあ』って言っちゃった」

――ドラマ効果で、『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』は、単行本と文庫合わせ30万部のベストセラーとなった。

夫「原稿を彼女に見せると、『ゴロって何?』と聞かれる。『ゴロはゴロだよ』と返事すると、『誰もが野球を知っているわけじゃないのよ』と指摘されました。さらにワンバウンドはゴロじゃないのか、どこからがゴロで誰が決めるのか。もう次々と疑問を投げかけてくる。大体、なんで野球やってるのか、と。そこでハタと原点に立ち返ったんです。取材した高校の野球部も、常識外れというよりも原点からの野球だった。彼女のダメ出しのおかげで多くのひとに読んでいただけたんだと感謝しています」

妻「これからも容赦なくダメ出しします。彼は打たれ強いんです。それで好きなのかなあ……」

夫「やっぱり、愛し合ってるとしか言いようがないよね。これぐらいでそろそろ帰ろうよ、栄美ちゃん」

週刊朝日 2015年2月27日号より抜粋


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