優勝争い→予選落ちの松山英樹“先輩”のアドバイスは? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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優勝争い→予選落ちの松山英樹“先輩”のアドバイスは?

連載「マルちゃんのぎりぎりフェアウエー」

※イメージ写真

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 優勝争いから一転、翌週の大会では予選落ちしてしまったプロゴルファーの松山英樹(22)選手。そんな松山に丸山茂樹氏はアドバイスを送る。

*  *  *
 イアン・ポールター(英国)がちょっとした災難に遭ったみたいですね。

 米PGAツアーのファーマーズ・インシュランス・オープン(2月5~8日、米カリフォルニア州・トーリーパインズGC)の期間中の話です。3日目のプレーを終えて、ポールターはキャディーたちと韓国料理のレストランに出かけたそうです。出てくると、乗ってきた乗用車がない。なんとレッカー移動される寸前だったというのです。レストランの指定スペースでない場所にとめていたために通報されたようなのですが、ここからが大変。

 その車が大会期間中、大会側から選手に貸与されたヒュンダイの乗用車だったから、ポールターが「俺の車なんだ」と言い張っても証明する手段がない。結局返してもらえず、ポールターはタクシーで宿泊先へ。翌日の最終日は、74をたたいてしまったのでした。

 そうなんです。米ツアーへ行くと、大会ごとに移動用の乗用車を貸し出してもらえるんです。もちろんタダです。僕は米ツアーで9年プレーしましたけど、ほぼ全試合で車が割り当てられましたね。僕のころは米ツアーのオフィシャルがビュイックだったから、ほとんどがビュイックのSUVでした。たまにヒュンダイやメルセデス・ベンツになってね。米ツアーの手厚いもてなしの一つですね。

 僕の経験からいくと、ほかにはクラブハウスの食事が朝昼晩と無料で食べられて、置いてある飲み物はいくらでも持って行っていい。指定の場所に洗濯物を置いとけば、すべてタダでクリーニングしてくれた。大会期間中はパソコンも携帯電話も支給される。自動的に保険にも入れて。まさに至れり尽くせりでした。

 そういう恵まれた環境の中で感じたのは、アメリカにおけるプロスポーツ選手に対するリスペクト(尊敬)の強さですよね。そりゃみんな、憧れますよ。

 話は変わって、松山英樹です。1打差の2位だったフェニックス・オープンから一転、ファーマーズ・インシュランス・オープンは予選落ちでした。

 2日目、カットラインまであと1打の状況で迎えた最終18番パー5は、2打目でグリーンをとらえながら、3パットで終了です。

 英樹は「(優勝争いした前週の)最終日にいいプレーができてないから、次の週に崩れてしまう」とコメントしてますね。そんなに悲観しなくてもいいと思うんです、僕は。

 予選落ちっていっても、たった1打差ですから。コースには得意不得意もある。先週入ったパターが、今週も入るとは限らない。今日はまっすぐいってたショットが、明日もまっすぐいく保証はない。ゴルフはほんとに一分一秒、もっといえば一瞬で流れが変わってしまうスポーツだから。

 結局はね、ずっと本人が「パッティングに自信がない」って言ってたのが、土壇場でポロッと出てるだけじゃないですかね。不安があるんで、今回の試合でも、「2パットなら予選通過だ」って状況で「3パットだけは避けないと」って考えすぎて、実際にそうなってしまう。

 いつもながら、僕は「22歳でよくやってるなあ」と思いながら見てますよ。少し、背負ってるものを軽くしてみたらどうかな。

週刊朝日 2015年2月27日号


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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める。19年9月、シニアデビューした。

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