地震だけでなく、台風やゲリラ豪雨、豪雪など季節を問わず日本は災害に見舞われやすい。そうした被害を受けたときに、不幸中の幸いとして助かるのが確定申告だ。

 住宅や家財が被害を受けて、家を修繕したり、撤去したりした費用などは「雑損控除」として、所得控除の対象にできる。住宅や家財は「生活に通常必要なもの」が要件なので、災害の種類によっては、テレビや冷蔵庫や家具を買い替えたとしても、その費用も対象となる。しかし、別荘や絵画、骨董品、貴金属など趣味のものは対象にならない。

 控除額はまず、住宅などの損害額に、住宅の取り壊し費用などの「災害関連支出」をプラスし、保険金などの補てん金額を差し引いて「差引損失額」を算出する。

 次に、(1)「差引損失額」から総所得金額等の10%を引いた額と、(2)「災害関連支出」から5万円を引いた額をそれぞれ計算し、(1)と(2)を比較して多い金額が控除金額になる。

 1年で控除し切れない場合は、損害を受けた年の翌年から3年にわたり繰り越すことができる。

「『災害関連支出』には、今の季節ですと、住宅の倒壊を防ぐための屋根の雪下ろしの費用なども含まれます」(税理士の日置亮氏)

週刊朝日 2015年2月13日号より抜粋