今回の事件では、昨年7月に長崎県佐世保市で16歳の少女が同級生を殺害した事件との共通点が指摘されている。加害者の少女はいずれも勉強が得意。犯行の動機について、両者とも「人を殺してみたかった」と供述している。

 男子と間違われるようなボーイッシュな外見だったことも似ている。佐世保事件の少女は自分を「僕」と呼び、Aはツイッターに<今日だけで4回も性別間違えられた>などと書き込んでいた。精神科医の片田珠美氏がこう指摘する。

「10代の少女は、自分が女性であることを受け入れていくという課題に直面する。勉強ができてプライドが高いと、社会の中で立場の弱い女であることを受け入れられず、摂食障害などになりやすい。Aも男性になりたい願望を持ち、自分の性を受け入れられず、周囲とコミュニケーションが取りづらくなり、不安定になっていた可能性があります」

 Aは事件の約1カ月前、こうツイッターに書き込んでいた。

<これまでの人生を振り返ると、神様が悪ふざけで自分を作ったとしか思えない>

 心の闇はどこまで解明されるのだろうか。

(本誌取材班=今西憲之/小倉宏弥、牧野めぐみ、小泉耕平)

週刊朝日 2015年2月13日号より抜粋