イスラム国の人質ビジネス 年間50億円の“冷血”

 イスラム国はこれまで多くの外国人を拉致監禁してきたが、それらの事件をみるかぎり、徹底した彼らなりのルールがある。身代金が支払われれば必ず解放し、支払われなければ必ず殺害するということだ。

 たとえば、これまで判明しているだけで、今回の日本人2人以外に少なくとも12カ国の国籍の計23人がシリアで拉致されているが、すべての人質がその基準で解放されたり、処刑されたりした。例外は一人もないのだ。殺害されたのは、身代金を支払わなかった米英ロの人質計6人。身代金を支払っていない米英国籍の計2人がいまだ監禁されているが、裏で身代金を支払ったとみられる計15人は、全員が解放されている。

 米英国籍の人質の場合、これまで身代金が支払われたケースは一件もないが、殺害される前に、人質の家族に身代金を要求する連絡が来ていたケースがあったことも確認されている。また、イスラム国と敵対するフランス人の人質でも、身代金が支払われれば全員解放された。つまり、政治的に敵対している国かどうかにかかわりなく、完全に身代金の有無で人質の運命が決まる。警察関係者は語る。

「彼らの手口は、完全にプロの誘拐団のやり口ですね。誘拐をビジネスとして考えると、こうしたルールを徹底することで、新たな誘拐を起こしても身代金を引き出しやすい。被害者側に対して、身代金を支払わなければ殺害されると確信させることができるからです」

 また、イスラム国の誘拐パターンのもうひとつの特徴は、「外国人なら必ず人質にする」ということだ。彼らは米英仏だからとか、日本人だからとかという理由で誘拐するわけではなく、国籍にかかわりなく誰でも拉致している。

続きを読む

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック