NHK朝ドラでは外国人ヒロインが活躍、バラエティー番組ではハーフタレントがもてはやされる。近ごろは、海外で暮らす日本人を取り上げた番組も多い。共通するのは“日本を持ち上げる”妙な感じだ……。

「朝の情報番組でも、外国人旅行客に日本のいいところを聞くというコーナーがある。好きで日本に来ているのだから、いいことを言うに決まっているのに、視聴者から評判がよく、数字がとれると聞きます」

 そう話すのは、精神科医の香山リカさんだ。「日本最高!」というポジティブすぎるテレビ番組を「ポジナショナリズム」と呼んで論評する。

プロ野球ファンが、絶対に勝てない状況で前向きに勝利宣言することを『ポジる』という。マイナス要因にまったく目を向けず、日本は世界から愛されているという根拠のない自信をもっている。ナショナリズムとしては末期的な状況です」

 外国人が日本を語る形式の番組は過去にもあった。1998年から4年間放送された「ここがヘンだよ日本人」(TBS系)だ。しかし香山さんは「今、こんな番組を作ったら、自虐番組だとか反日番組だとか言われて大変なことになるでしょうね」と苦笑いする。

「日本を批判する番組は、やっぱり今の時代と逆行していると思います」

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