株式市場に限っていえば歴代最高!?
株式市場に限っていえば歴代最高!?

 いまやタレントとして引っ張りだこの杉村太蔵さん(35)だが、その前歴は証券マンだ。これまで4千数百万円の成果を挙げている杉村さんは、安倍総理を「歴代最高!」と賞賛する。その理由とは?

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 2009年に国会議員を辞めた後、約1年、カナダのバンクーバーで家族と暮らしました。骨休めしながら、好きなテニスをして。でも無職なので、テニスコートでニューヨークの市場の動きをみながら、デイトレードで生活費を稼いでました。その前年、議員時代に証券会社に口座を作っていて、500万円くらい資金があったんです。

 帰国して参議院議員選挙に出馬したら落選して。ショックでしたね。自己資金はほとんど選挙で使ってしまったし、今後どうしようかと。模索しているときに「サンデー・ジャポン」(TBS系)から声がかかり、“薄口評論家”の称号をいただきました(笑)。その後テレビの仕事が徐々に増えていき、ギャラはすべて証券口座に入れました。

 落選後から1年で株の利益は300万円。議員になる前は証券マンだったので、その経験も役立ちました。

 今はETF(上場投資信託)中心。ETFは、日本経済全体への投資という側面があります。特に初心者の方は個別銘柄を選ぶのは非常に難しいですよね。

 株式投資のいちばんのメリットは、リターンがあること。だから、必然的に勉強するようになります。なぜいま原油安か、なぜ黒田総裁に代わって円安になったか、実質賃金とは何か、とか。少なくとも経済学部や経営学部、商学部に在籍している学生は株式投資をするべき。

 4年間、買い続けたら金融の知識が必ずつきますよ。経済政策は株式相場に影響を与えるので、政治にも絶対に関心を持つようになる。

 12年11月、民主党の野田前首相が「衆議院を解散します」と言ったとき、よし、これで株は100%上がると思いました。民主党政権は投資家の目からみると最悪だったので。だって野田さんは胸を張って、「私は株をやったことがない」と仰っていましたから。

 でも安倍さんは違う。一昨年は、ニューヨークの証券取引所まではるばる出かけて、「バイ・マイ・アベノミクス」って講演された。世界に向かって日本の株を買ってくれと。そんな総理大臣は今までいない。株式市場に限っていえば歴代最高!(笑)

 僕が投資をするときに参考にする指標の一つが、「内閣支持率」。支持率が40%以上の場合は日本株は心配なく、緩やかでも上昇していく。40%を割ると、たいていは半年以内に政権は終わるので、支持率が40%に限りなく近づいたら、株は売りですね。

 結局、投資を始めて6年で4千数百万円の利益をあげました。もちろん失敗もあります。いま、含み損は100万ちょっと。でもぜんぜんこわくはない。信頼しているから。

 ただ単に儲けたいと思ってる人は儲けられない。企業を応援する精神がないと。株式投資は日本経済の応援という側面もあるんです。そこが要です。

週刊朝日 2015年1月30日号