孫は“触媒” シニア「孫と習い事」が新しい 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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孫は“触媒” シニア「孫と習い事」が新しい

週刊朝日

 平均寿命100歳時代が現実味を帯びてきた。初孫が生まれても、まだ人生の半分が残っている。仕舞い支度の“終活”だけでは味気ない。孫がいるならもっと一緒に楽しもう。そんな“祖父母ライフ”が始まっている。

 孫娘(8)と同じバレエ教室に通うのは、東京都国立市の平澤晴子さん(64)。50歳を過ぎて、しつこい肩の痛みに悩まされたこともあり、教職の傍ら、少女時代に少し習っていたバレエを再開した。

 最初は体力づくり程度の“大人バレエ”だったが、次第に本格的にレッスンを受けたくなり、現在の教室に通うようになった。2010、12年には、舞台化粧をし、衣装をまとい発表会で踊った。

 3年前から孫が同じ教室に通い始めた。定年退職した平澤さんが、仕事に忙しい娘(42)に代わって送迎役を担うこともあるほか、孫にちょっとしたテクニックのアドバイスもする。バレエを始めて太りにくくなり、風邪もひかなくなったという平澤さんは今、「Kバレエカンパニー」を率いる熊川哲也さん主宰のバレエ教室にも通い、月に計5、6回は鏡張りの教室で汗を流す。

「孫が同じバレエ教室で習うようになって、バレエに対する自分の思いがますます高まった気がします。孫が続ける限り、私も負けないようにがんばらなければ。気持ちの張りにつながっています」

 孫をただ可愛がるだけの対象としてでなく、祖父母世代の“触媒”としてとらえ、シニアライフを活気づけたい──。その思いは11年7月創刊の隔月誌「孫の力」(木楽舎)にも共通している。

「長生き」の秘訣とは何なのか。同誌は、その答えの一つを、100歳以上の超高齢者の割合が世界一高いとされる中国広西チワン族自治区・巴馬(パーマ)のお年寄りの生き方に求めたという。

「みんな現役で働き、生きがいを尋ねると、『孫やひ孫の顔を見るのが楽しい』という。日本では“エンディングノート”とか“終活”とか、死ぬ準備ばかりしている。それも大切ではあるけど、これから伸びゆく孫世代と一緒に、もっと今を生きようよ、というメッセージを込めました」

 編集を担うトド・プレスの門前貴裕さんは説明する。東日本大震災後間もなく発刊された第1号のコンセプトは「大丈夫、孫がいる」。その後は「一緒に暮らそう!」「夏休み、孫と何します?」「はじめての孫旅入門」などと、孫と一緒に楽しむことを前面に打ち出した特集を連打し、新たな「孫ビジネス」の可能性を探るメディアとして注目される。
 
週刊朝日  2015年1月23日号より


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