現在、「仮面ライダードライブ」の悪役チェイスを好演中の上遠野太洸(かとおの・たいこう、22)。高校時代は教員になりたかったほどの子ども好きで、「悪者なので嫌われてしまうのでは」と心配したこともある。

「先日、イベントであるお母さんから『うちの子、チェイスに会えるって喜んでいたのに、今は緊張して話せないみたい。でも、本当はすごく好きなんです』と明かされて、すごく嬉しかったんです。今年は好かれる敵役を演じ、弾みをつけたい」

 芸能界に入るきっかけは高校3年生のとき、母親がおもしろ半分でコンテストに応募したこと。

 選考中も芸能界への興味は全く湧かなかった。

「芝居すれば訳もわからず怒られ、初めは逃げ出したかったんです。でも、ある舞台の稽古で演出家の方から『とりあえず狂ってみろ』と言われ、夢中で大声で叫んだら何かが吹っ切れた。感情を表に出すことが少しだけできた気がして、頑張ってみようかと」

 過激な性表現で話題になった2012年放送のドラマ「幸せの時間」(東海テレビ系)では不倫する両親の息子役を演じ、「あの艶っぽいイケメンは?」と注目された。

「人間の汚い部分を見たときの感情を言葉でなく体からにじみ出させる。難しい演技でしたが、一生忘れられない役でした」

 昨年は映画「ガキ☆ロック」や、米国ニューヨークの女装バレエ団の舞台「グランディーバ」日本公演で主演し、活躍の場をぐっと広げた。

「もちろん主役をやらせてもらえるのは嬉しいですが、今は主役を輝かせる役者になりたい。個性派と呼ばれる香川照之さんや遠藤憲一さん、オダギリジョーさんに憧れています」

 デビュー4年目。言われたとおりにできるのは当たり前、そこからさらに「自分らしさ」をにじませるにはどうしたらいいか、目下葛藤しているという。

 心の支えは地元の仙台にいる家族や仲間たちだ。

フィギュアスケート羽生結弦くんは同郷の仙台ですが、震災を乗り越えて頑張る姿は、故郷をすごく勇気づけました。僕も役者として頑張って、明るいニュースを届けられるようになりたい」

 時折浮かべるハニカミ笑いに、細マッチョな肉体。そんなギャップも魅力に一役買っている。

週刊朝日  2015年1月16日号