“レジェンド”の最終章はまだまだ先になりそうだ (c)朝日新聞社 @@写禁
“レジェンド”の最終章はまだまだ先になりそうだ (c)朝日新聞社 @@写禁

 2014年のソチ五輪で、41歳8カ月の史上最年長で銀メダルを獲得した、スキージャンプ界の“レジェンド”こと葛西紀明選手(42)。11月もフィンランドで開催されたW杯第3戦で優勝を果たし、自身が持つW杯最年長勝利記録を10カ月、更新した。

 葛西選手の姉、濱谷紀子さん(45)は絶好調の理由をこう語る。

結婚したことは大きかったと思います。奥さんが人目をはばからず、紀明に『大好き』と言っているのを見ると、心からほほ笑ましい気持ちになりますね」

 41歳まで独身を通した葛西選手は14年2月、ついに結婚。ソチ五輪後、マスコミ対応などで多忙を極めた葛西選手を、新妻は心身両面で支えたという。

料理が上手で、特にスープがおいしい。たくさんの野菜を使うことで、栄養バランスを考えているのだと思います。海産物を使ったアヒージョも絶品。ヘルシーだけどおなかがいっぱいになるメニューを作ってくれるんです」(紀子さん)

 葛西選手は、海外遠征の前には火災が原因で1997年に亡くなった母親の墓参りを欠かさず、地元へ帰るたびに病気で入院する妹を見舞うなど家族思いとして有名だ。最近ではLINEを使って、家族全員に試合後の喜びを報告してくれるのだとか。

「先日も、一時帰国した紀明と家族みんなで焼き肉に行きました。年末から再開する試合の前でしたが、赤ワインを10杯くらい飲んで、ずっと笑って楽しそうにしていました」(同)

 シーズン中のW杯、さらにその先に向けて、調子はどうなのか。葛西選手と同郷で北海道下川町の少年団コーチを務める伊藤克彦さん(47)はこう語る。

「技術、体力、精神面がトータルで高いバランスを保っています。W杯、18年の平昌五輪はもちろん、この先いつまでも飛んでいけるのではないでしょうか」

 54歳までの現役続行をめざし突っ走るという。

(本誌取材班)

週刊朝日  2015年1月2-9日号