メジャーから注目される大谷選手の二刀流 (c)朝日新聞社 @@写禁
メジャーから注目される大谷選手の二刀流 (c)朝日新聞社 @@写禁

MLBのサイトで『もし今オフ、ポスティングシステムでメジャーに挑戦した場合、7年1億5500万ドル(約178億円、田中将大投手がヤンキースと契約した条件)を上回るだろう』と紹介され、米球界から大きな関心を持たれていることがわかりました」

 ベテランの野球記者がこう評するのは、日本ハムファイターズの大谷翔平投手(20)だ。プロ野球の常識を覆す“投打二刀流”挑戦2年目だった2014年は、元祖二刀流とも言うべきベーブ・ルース以来、96年ぶりに投手として2桁勝利、打者として2桁本塁打を達成し、うるさ型の評論家も脱帽せざるを得ない結果を出して、二刀流反対論を封じ込めた。

 野村克也氏は当初、二刀流を完全否定していたが、14年の活躍を見ると、「自分が監督だったとしても使いたくなる選手」と絶賛する始末。

「大谷のバッティングは、二塁打が多く、スライディングによるケガを心配する声もありますが、本人は野手として出場しているときは野手としてのプレーに集中している」(スポーツ紙デスク)

 シーズンオフの契約更改では松坂大輔投手以来という、高卒3年目での年俸1億円到達を果たした。

「彼の14年の活躍を考えれば、1億円の大台に乗らなかったら『ケチったな』と言われたはず。査定が厳しいことで有名な日本ハムですが、大谷の場合、投手と野手と別々に査定して合算する形だそうです」(同前)

 さらなる飛躍が期待される3年目。ルースが1918年に残した二刀流記録(13勝、本塁打11本)を超える、という目標がある。

「どうせならド派手に抜いてほしいですね。球界最高齢の山本昌投手と対談したとき、大谷は『どうしたら球を速く見せることができますか?』と質問して山本を驚かせていました。向上心の塊なんですよ」(前出の野球記者)

 大谷のメジャーのカウントダウンはもう始まっているのかもしれない。

(本誌取材班)

週刊朝日 2015年1月2―9日号