東尾元監督「名球会入会の200勝はハードル高い」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾元監督「名球会入会の200勝はハードル高い」

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修

 名だたるプロ野球選手が集う名球会。メンバーである東尾修氏は、名球会を素晴らしいものにしたいと語る。

*  *  *
 ハワイ・ホノルルでの名球会イベントに出席してきたよ。1年に1回、名球会員が顔を合わせる。ソフトバンクの監督となった工藤公康(51)とも一緒になった。開放的な気分で、毎年この会を楽しみにしている。

 現地12月16日(日本時間17日)の名球会総会では、山本浩二さん(68)が新理事長に就任した。組織は大きく変わるよ。新理事長の下に、49歳の古田敦也が副理事長となったことが大きい。柴田勲さん(70)と2人で支えることとなる。そして理事には、佐々木主浩(46)と野村謙二郎(48)も入った。私もこれまで同様に理事に残った。これから若くて実行力のある名球会員と力を合わせて盛り上げていこうという意図を込めた組織改編だ。

 私が名球会員になったとき、年長のミスター=長嶋茂雄さん(78)も、王貞治さん(74)も、現役時代に対戦した人だった。私が18歳のプロ1年目、対外試合最初の試合が巨人戦(平和台球場)だった。そんな経験があったから、名球会に入ってからも、肩身が狭い思いをしなくて済んだ。大きく年が離れているわけではなくて、みんな一体感があった。ゴルフコンペでせっかちなミスターがカートにゴルフバッグをくくりつけず発車して、バッグが落ちたのに気づかずボールの地点まで行こうとしたり、やはりミスターが竹馬乗りが異様に速くて驚いたり。名球会でのすべてがいい思い出だった。朝から晩までテレビ収録もあったけど、本当に楽しかったよ。

 でも今では、40歳前後の若手から最年長は80歳と、40歳ほどの年齢差がある。名球会の中で若手が意見するのは難しい状況だよな。しかも、会員の平均年齢が上がると、なかなか以前のようには動けない。総会をやって、ゴルフやって……が精いっぱいだ。私が入会した当初は、本当に夢のような人たちの集まりで、現役選手のあこがれだった。名球会を魅力的な組織として維持するためにも、若手の発案で何ができるかを考える必要がある。

 そのなかで浩二さんが、「何年後かに、できれば国内で全員が参加する野球教室をやりたい」と話した。イチロー(41)や松井秀喜(40)も呼んで、国内で1日だけのイベントをやる。ハワイでの総会に来られない人でも参加しやすくなるよね。これも古田や佐々木の意見がスタートとなった。そんな夢のようなイベントができるのも名球会ならでは。来年は難しいかもしれないが、数年後には絶対に実現させなきゃいけないな。

 今回、総会の参加者は28人。会員56人の半分だった。もっと参加してほしかったよね。清原和博(47)にもぜひ来てもらいたい。いろいろ周辺が騒がしいかもしれないが、野球界で素晴らしい成績を残し、同時に存在感をあれだけ示した選手は少ない。同じ野球人としてリスペクトされるべきだし、歓迎したい。

 今後、名球会が繁栄していくためには、まだ問題もある。56人のうち投手が15人しかいない。現在の入会条件は日米通算で200勝以上か250セーブ以上となっているが、200勝は投手分業制が確立した今、ハードルが高い。ただし簡単に入会条件を下げると、今まで入会できなかった人たちは何だ!となってしまう。数字の操作だけでは難しい問題でもあるが、何とか全員で知恵を絞って道を見つけないといけない。

週刊朝日 2015年1月2―9日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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