沖縄1区の赤嶺政賢氏は「カチャーシー」を踊って喜ぶ (c)朝日新聞社 @@写禁
沖縄1区の赤嶺政賢氏は「カチャーシー」を踊って喜ぶ (c)朝日新聞社 @@写禁

 沖縄の四つの小選挙区で自民党候補が全敗。1区では共産党候補が18年ぶりに小選挙区で議席獲得──。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に、あらためて「ノー」が示された。

 この結果は決して想定外ではない。前哨戦となった11月16日の県知事選では、保守・革新の対立を超えて支持された翁長雄志氏(64)が圧勝。自民党全敗の予感は、この時にすでに漂っていた。当選直後、翁長選対の本部長はこう宣言していた。

「今度は、基地推進の自民党国会議員が総選挙で審判を受ける番だ。また明日から選対会議だ!」

 その言葉どおり、沖縄では「打倒自民党」を目標に選挙区調整が奏功する。2〜4区では、全選挙区に候補者を立てることが基本方針の共産党が擁立を見送り、“野党統一戦線”が築かれた。勝利が得られたことで、

「保守、リベラル、左派までが一堂に結集するモデルになった」(地元記者)

 翁長知事は、早期に訪米する意向も明らかにしている。移設計画に反対していることを米国に直接伝えるためだ。沸騰する沖縄県民の“怒り”は、安倍政権のアキレス腱になりつつある。

週刊朝日  2014年12月26日号