室井佑月「うわ~、なんつー大人げない政権」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「うわ~、なんつー大人げない政権」

連載「しがみつく女」

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 安倍政権がテレビ局に圧力をかけたニュースを読んだ作家の室井佑月氏は、安倍首相は心が狭い人だとこういう。

*  *  * 
 うわ~、なんつー大人げない政権なんでしょう。

 11月28日付の日刊ゲンダイのスクープ記事、読んだ? 読んでないなら読んでくれ。

「前代未聞だ『選挙報道』に露骨な注文 自民党がテレビ局に送りつけた圧力文書」というタイトルの。

「要するに自民党に不利な放送をするなという恫喝だ。―中略―露骨なのは<街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたい>という要求」

 街頭インタビューにまで注文つけてくるとはね。

 ま、安倍さんはTBS系のニュース23に出て、街頭インタビューのVTRに「(人を)選んでるんでしょ!」と○○みたいにキレてたもんな。

 こんな狭量な総理、はじめて見たわ!

 安倍政権だけだよ、こんなにうるさくマスコミに圧力かけてくるのは。

 あたしはさ、結構、いろんな政治家の批判文を書いたり、批判コメントをしゃべったりしている。

 安倍政権になってから、「あまり踏み込まないように」と注文つけられることが多い。もしかすると、それは安倍政権がいってきたことではないかもしれないけど。局が安倍政権を忖度(そんたく)してるのかも。でも理由は、面倒臭いし、怖いからでしょ。

 かつて小泉政権時代、あたしはめちゃめちゃ批判文も書いたし、批判コメントもした。が、なにもいわれなかったよ。

 役者をされているイケメンの息子さん、小泉孝太郎さんとの対談の仕事があって、まさか引き受けてくれるとは思わなかったんだけど、快く引き受けてくれたんだ。

 お会いするや否や、あたしが開口一番で、

「あの~、あたしがお父様の悪口をいろんなところで書いたりしているのは、ご存知ですか?」

 といったら、クスッと笑って、

「ええ、知ってます」

 孝太郎さんは答えた。

「あたしは対談を引き受けてくださってとても嬉しいですけど、いいのですか?」

 そう訊ねたら、

「こちらこそ、いいけど、いいのですか? そう思ってましたよ」

 そして、二人してゲラゲラ笑った。楽しい対談時間を過ごしたよ。

 そのときも思ったんだけど、小泉さんの悪口をたくさん書いたけど、上からのクレームなんて一切なかったわな。それが普通だしね。

 だって、政治家は我々の血税をたんまり使って活動している公人だもん。批判されても、しょうがないと流すでしょ。

 ところで、安倍さんは解散会見のとき、自分を批判している人と徹底討論したいっていってた。そっちはいつやるの。

 そっちこそ「はやくやらせろ」「何度もやらせろ」と局に注文・恫喝すべきでしょ。安倍さんのいい分だけ流すって、それが偏向報道というのでは。

週刊朝日  2014年12月19日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中。

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