田原総一朗「人相が悪くなった安倍首相に野党が勝てない理由」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「人相が悪くなった安倍首相に野党が勝てない理由」

連載「ギロン堂」

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応援演説する安倍首相。人相が悪くなった?

応援演説する安倍首相。人相が悪くなった?



 最近、テレビの党首討論などを見ていると、安倍首相の人相が悪くなったという印象を受ける。これは、安倍首相が成長したという証拠だと思う。これまでは、どこか「おぼっちゃん」という雰囲気だったのだが、首相を続けたことで政治家として鍛えられたのではないか。討論でも、かつてより雄弁に語るようになったと感じる。「しゃべりすぎだ」と嫌う人も少なくないようだが、エネルギッシュで迫力があるのは確かだ。中には論理の矛盾もあるのだが、経済を成長させてみせるというチャレンジ精神が感じられるのだ。

 一方の野党はといえば、まさかこんな時期に解散があるとは思いもせず、選挙態勢が整っていなかったのだろう。みんなの党は選挙を待たずして解党に追い込まれ、維新の党も橋下徹大阪市長や松井一郎大阪府知事が出馬するかどうかで最後までドタバタした。生活の党も、何人かが土壇場で民主党に移るなど、各党とも慌てふためいた姿を国民の目にさらしてしまった。自民党が狙ったとおりの結果になっているのだ。

 野党がそろって主張するように、確かに今回の解散に大義はない。10月31日の日銀による追加金融緩和を受けて株価が上がっているこの時期しか、選挙に勝てるタイミングはないという計算があったとしか思えない。国民にとって、これほどドキドキしない選挙は近来なかったのではないだろうか。だが結局、野党はアベノミクスを批判するだけで、対案を出せない。世論調査の結果が示すのは、国民が消極的に自民党を選ばざるをえない、という現状なのではないだろうか。このままでは無党派層の票も、かなり自民党に流れるだろう。だが、与野党の差が開けば、政治は国民から遠くなる。国会審議に迫力がなくなってしまうのではないだろうか。

週刊朝日  2014年12月19日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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