「増刷、増刷で累計10万部をこえたとのこと、、、僕のカレンダーを手にしたいということは、、、とんでもない日本になったということなのか?」

 11月27日夜に更新された元テニスプレーヤーの松岡修造のブログは、戸惑いに満ちていた。事の発端は、9月5日に発売された彼の語録と写真をちりばめた日めくりカレンダー「まいにち、修造!」(税込み1080円)。これが大ヒットし、予約待ちが続出。一時的な品薄から、ネットでも4千円前後まで値が上がった。

 日めくりは31日分(20枚綴り)で、卓上でも壁かけでも使える一般的な小型カレンダーの形態だ。 

 日めくりには、

<崖っぷち、だーい好き>
<昇ってこいよ! 君は太陽だから!>

 などのメッセージが並ぶ。発売元のPHP研究所・広報部はこう語る。

「これまでテレビや公式HP等で発信された言葉をご本人に厳選していただき、新作も盛り込みました。12万部(11月27日現在)を突破し、現在、増刷中。公式通販サイトや書店に順次入荷中です」

 松岡修造の注目度は今、うなぎ登りだ。

 今年の錦織圭選手の活躍とともに、幼少時に同選手を指導したテニスの解説者としてテレビ出演が増えたし、2014年上半期のCM起用社数は嵐の相葉雅紀、俳優の阿部寛と並ぶ10社で堂々のトップに輝いている。

 本人のブログによると、日めくりを作った理由は、「大好きな相田みつを先生の日めくりカレンダーに元気をもらっている」ことだとか。企画制作を担当したPHPエディターズ・グループの編集者が明かす。

「撮影当日に松岡さんがスタジオに到着するなり、急に『おはよういただきます』って言葉はどうかな? と提案されました。今日これから会う“たくさんの出会いをいただく”ことへの感謝の意味の造語だと、熱く解説してくださいました」

 この日めくりの購買層は20~50代。プレゼントや、宴会用の景品などに選ばれているようだが、お守り代わりにする人もいる。

「出勤前に必ず拝む」という会社員A氏(40)は言う。

「ストレスから2週続けて無断欠勤し、死にたいと思っていた。ところが日めくりを手に入れ、『今日から君は噴水だ!』という言葉を見たら、なぜか勇気が湧いてきたんです」

 この冬、類いまれなアツさが多くの人を救う!?

週刊朝日  2014年12月12日号より抜粋