いい加減、安息の地を見つけたい (c)朝日新聞社 @@写禁
いい加減、安息の地を見つけたい (c)朝日新聞社 @@写禁

 激戦が予想される大阪で、意外な候補者の名前が挙がっている。自民党の佐藤ゆかり参院議員(53)が衆院にくら替えし、大阪11区から出馬するというのだ。

 佐藤氏といえば、2005年の郵政選挙で“刺客”として岐阜1区から出馬し、野田聖子衆院議員と激戦を繰り広げた「小泉チルドレン」。09年には東京5区から出馬するも落選し、10年の参院選全国比例区で復活。その後も衆院への返り咲きに意欲を見せ、今春は山形3区からの出馬を画策したこともあった。

 そんな佐藤氏の名が大阪で挙がるのは、なぜなのか。

「元職の井脇ノブ子氏が今回は出馬しないため、地元では後任を探していた。以前から親交のある地元の市議が『うちはどうか』と声をかけたんです」(自民党大阪府連関係者) 

 佐藤氏は10月に地元の自民党支援者の集会でマイクを握り、「(出馬の)お話をいただいている。派閥などとよく相談して決めたい」と、前向きな発言をしている。佐藤氏の事務所も「(出馬の)要望をいただいているのは事実。党本部の決定次第です」と、くら替えを否定しなかった。

 警戒感を強めているのが対立陣営だ。大阪11区には現職の維新の党・伊東信久氏(50)や民主党の元官房長官・平野博文氏(65)などが出馬する見通し。2年前、維新旋風に乗り圧勝した伊東氏の関係者がこう語る。

「前回の選挙ではいくら刷ってもチラシが足りないくらいだったのに、今は受け取ってもらえない。佐藤氏が出馬すれば、さらなる厳しい戦いだ」

 平野陣営の関係者も、「佐藤氏が出馬なら、注目選挙区になりますね」と、警戒感を強める。

 ただ、大阪府連内部には佐藤氏擁立に反発もあり、調整は難航しているという。

「決定は党本部預かりで、最終的には安倍総裁の決裁になると思う。他に有力な候補もおらず、不戦敗は避けたいので、最終的には佐藤氏が選ばれるのではないか」(自民党関係者)

 あとは、大阪に縁も“ゆかり”もない候補者が受け入れられるか、否か。

週刊朝日 2014年11月28日号より抜粋