ピーター・バラカン「ストーンズは初期、意外にまともな青年だった」

週刊朝日
ロックの神々

朝日新聞出版

978-4022770240
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 ロックが誕生してから半世紀。1960年代から若者を熱狂させた「ロックの神々」は、反戦、Love&Peaceなど様々な社会現象を巻き起こした。時代とともに生まれては消え、変遷していくロック。その魅力とは何なのか。DJ・ブロードキャスターのピーター・バラカン氏に聞いた。

──ロックはどのように生まれたのでしょうか?

 音楽的ルーツをたどれば、1950年代のロカビリーの時点である程度、形ができあがっていますよね。その中で圧倒的に人気があったのはやっぱりエルヴィス・プレスリーです。アメリカで公民権運動がピークを迎える前の時代に、黒人のリズム&ブルーズを白人の解釈で聴かせるロカビリーは、保守的な社会に一石を投じました。ロックがまだロカビリーだった時代から、根底には反骨精神があったと言えるでしょう。

──ロックという言葉が使われるようになったのは、いつ頃からですか?

 60年代の中頃ですね。でも、ある日いきなり、「これがロックだ」って決まったわけではありません。僕が14、15歳だった頃のロンドンで、気が付いたらザ・フーのような危険な香りのするバンドが、ロックと呼ばれるようになっていたと記憶しています。ザ・フーは一触即発的な雰囲気を漂わせていて、それ以前のポピュラー・ミュージックとは明らかに異質でした。個人的にはそんなザ・フーを特に、「ロックらしい」と感じていましたね。

──ロックの特徴とは?

 あくまで僕はDJ・ブロードキャスターで音楽評論家じゃないから全体的な話はできないけれど、強いて言えば、コマーシャルな成功だけを目的としない、好きなことをやっている音楽ってところでしょうか。サウンドとしては、ジェイムズ・ブラウンなどのリズム&ブルーズやチャック・ベリーなどのロックンロール、エルヴィス・プレスリーに代表されるロカビリーを発展させたものですね。

──62年にデビューしたザ・ビートルズは当初、ロックとは呼ばれていなかったのですか?

 60年代の前半には、まだロックという言葉自体がなかったと思います。そもそも65年くらいまでのイギリスでは、ほとんどのポピュラー・ミュージックは芸能界の延長上にありました。ザ・ビートルズも初期はアイドルのような売り出し方だったんです。63年に不良っぽいイメージでデビューしたザ・ローリング・ストーンズだって当時は意外にまともな青年たちでしたよ。

──60年代の中頃を過ぎてからは、ザ・ビートルズもザ・ローリング・ストーンズもロックと呼ばれるようになったわけですよね?

 そうですね。ロックと呼ばれないのは、ハーマンズ・ハーミッツなどの商業的なポピュラー・ミュージックだけになりました。みんなが自然に、そのへんの線引きをするような時代に入っていったんです。

(構成 本誌・福田雄一)

週刊朝日  2014年11月21日号より抜粋

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