大阪府警の「スパイ」が拳銃捜査の闇を告白した本誌先週号(11月14日号)が大きな波紋を呼んでいる。だが、ズブズブの関係だった刑事は拳銃部品を「処分しろ」と指示していたというのだ。警察の腐敗を暴く衝撃のルポ第2弾──。

 13年秋、A被告は旧知の拳銃ブローカーからある依頼を受けた。改造した自動式拳銃を代理で受け取るよう頼まれたのだ。

<サイレンサーを付ける為の銃身加工を鉄工所に出しており、完成してるので代わりに取りに行って来て欲しいと言うのです>(A被告のノートから)

 A被告が大阪府内で紙袋に入ったブツを受け取ったところ、中には完成品ではなかったが、フレーム、銃身など拳銃の主要構成部分がそろって入っていたという。

<アメリカのAMTだったかMATだったか(編集部注・米AMT社のことか)、そんなメーカーの口径380AUTOのシルバーモデルでした>(同) 

 銃刀法では銃身などの部品の所持も禁じている。A被告は大阪府警の手柄になると思い、かねて情報提供していたB刑事にこのブツの処理について指示を仰いだ。だが、答えは信じがたいものだった。A被告はこう記している。

<「処分しといて」の答えが返って来たので2013年11月頃に海遊館(大阪市港区)前の海へ捨てに行きました。(中略)大阪はこんなデタラメもしているのです>

 A被告は指示通り、海へ銃を力いっぱい投げ捨て、銃は30メートルほど沖に沈んでいったという。

 A被告の主張する刑事たちの行動が事実なら、大問題である。大阪府警にこれらの事実関係を尋ねたが、対応した刑事総務課長はこう回答を拒否した。

「個別具体的な捜査の内容や手法についてお答えすることは差し控えさせていただきます」

(ジャーナリスト・今西憲之+本誌・小泉耕平)

週刊朝日  2014年11月21日号より抜粋