峰崎:私は毎日ちゃんこ場にいるから、近い感じで何でも言えるんでしょうね。

伊勢ノ海(いせのうみ)部屋:うちの子供がちょうど二十歳で、弟子たちの真ん中くらいなんです。だから気持ちがわかって、がみがみ言うと面倒くさいって思われるだろうから、なるべく口出しをしないで、ちょっと遊ぼうみたいな感じで、気持ちをほぐすことを考えます。

尾上:飲みに行こうとか?

伊勢ノ海:飲みには行かないですけど(笑)、ちょっと行く? みたいな感じでカラオケとかはあります。親方には言えないことがあったり、翌日の服装を相談されたりしますね。

――若い力士の一番の悩みというと?

峰崎:稽古より、生活上の上下関係ですね。やめたいと言ってくる子もいます。

東関(あずまぜき)部屋:おかみさんになって一番落ち込んだのは、弟子がいきなりやめるって言ったときです。さっきまで普通に話してたのに、なんで? って。

尾上:やめたい、と言ってくれたらいいんですよ。いきなり家出されると大変。

一同:あります!

尾上:部屋みんなで捜しに行くあのつらさ!「フェイスブックで知り合った彼女と結婚したかったけど、親方に言えなかった」とか言われて……。

(※1:把瑠都 2013年に引退したエストニア出身力士。最高位は大関)

週刊朝日 2014年11月21日号より抜粋