峰崎:それがわかるのは、部屋を継ぐ娘さんだけね。

伊勢ノ海(いせのうみ)部屋:私は高校の同級生が横綱の柏戸(※1)さんの娘で、偶然に親方と出会いがあったんですね。結婚前は丸の内のOLでしたから、相撲の世界はほとんど知りませんでした。

――親方との馴れ初めを教えてもらえませんか?

峰崎:たまたま実家のそばに巡業で親方が来たときに母が「娘がファンです」と声を掛けたのがきっかけです。どうやらその頃、親方は手痛い失恋をした直後だったらしく(笑)、そういう流れになった。結婚したての頃は喧嘩をすると「お前は俺のファンだったんだろ? 生意気だ!」とか言われました。

一同:(笑)

峰崎:当時は取材を受けるとよくわかりもせずに「私、相撲ギャルだったんです」なんて言って面白がられ、週刊誌には何を話しても「奥さんは元・相撲ギャル」と書かれましたね。

――相撲ギャルって?

尾上:本場所や巡業をよく見にいらしたり、部屋の前で待っていたりするファンですね。

――伊勢ノ海部屋さんでは勢(いきおい)関のファンが部屋の外で待っていたりします?

伊勢ノ海:それは見ないですね。ただ、ものすごい熱烈なファンレターをもらって、「おおっ」と私が驚いていたりはします。

(※1:柏戸 第47代横綱。大鵬とともに「柏鵬時代」を築いた)

週刊朝日 2014年11月21日号より抜粋