薄毛治療の「レーザー・コム(くし)」とは?

週刊朝日
 はげ・薄毛に新しい治療法は期待できるのだろうか。2010年にまとめられた「男性型脱毛症診療ガイドライン」の策定委員長を務めた東京医科大学病院皮膚科教授の坪井良治医師に話を聞いた。

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 髪の毛には成長のサイクルがあって、成長期→退行期→休止期を経て、脱毛します。1サイクルの期間は5〜6年。1日50〜100本程度なら自然な抜け毛といえます。はげ・薄毛ではなんらかの原因で成長期の段階が短くなり、抜け毛が増えてしまいます。

 内分泌系の疾患や、円形脱毛症、女性の出産後の脱毛などのはっきりした原因がないはげ・薄毛に悩む人は多く、男性にとっても女性にとっても深刻な問題です。身近な異常でありながら、いまだにすべての要因が解明できているわけではありません。フィナステリドやミノキシジルの登場で効果が見込めるようになりましたが、それ以上の治療法は、まだ臨床の場で用いられてはいません。

 しかし、さまざまな研究が実施されています。現在使われているものよりも効果が期待できる、第2世代のフィナステリドといわれる「デュタステリド」という薬は、すでに治験が終わっています。数年後には臨床で使われるのではないでしょうか。レーザーを当てて毛母細胞を刺激する「レーザー・コム(くし)」という家庭用の育毛器具や、LEDを頭皮に照射する方法の研究も進んでいます。さらに再生医療の分野では、後頭部から採取した細胞を培養して脱毛部に注入する治療法の臨床研究がおこなわれています。また、成長因子を多く含む自己血漿を頭皮に注射する方法も研究が進んでいます。

 薄毛の治療には時間がかかります。患者さんの多くは数カ月試して効果がないと感じると、ほかの方法に移ってしまいますが、最低、1年は続けることをおすすめします。劇的に髪が増えることを期待するのではなく、薄毛の進行を食い止めることを目標にされるほうがいいでしょう。

 増毛法のなかには医学的な根拠に乏しいものもあり、頭皮や毛根を傷めるケースもあります。ガイドラインで推奨されているフィナステリド、ミノキシジル、自毛植毛は、多くの人に効果が認められた治療法です。まずこれらを試してみてください。

週刊朝日  2014年10月24日号

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