東大、大蔵省を経たエリートだが、発言ミスが目立つ片山氏 (c)朝日新聞社 @@写禁
東大、大蔵省を経たエリートだが、発言ミスが目立つ片山氏 (c)朝日新聞社 @@写禁

 戦後最悪の火山災害になってしまった御嶽(おんたけ)山の噴火。被災者の捜索が難航するなか、永田町で思わぬ場外バトルが勃発した。

 その中心人物は、自民党の片山さつき参院議員。同氏は噴火翌日の9月28日、自身のツイッターに、

<某町村長と話。(平成)22年の民主政権事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山ははずれ、政権奪還後漸く予算共々少し戻せた>

 などと投稿した。民主党政権の事業仕分けが被害を大きくしたと読める内容だ。この情報は瞬く間にインターネット上で拡散する。事業仕分けの中心的存在だった蓮舫参院議員には、ツイッターなどで「キサマが予算を削った分、人の命が削られてんだよ(怒)」といった罵倒が相次いだ。

 ところが、この投稿内容は事実無根だった。

「片山議員がいう指摘は、事業仕分けではなく、2010年の行政事業レビューだと思います。この時に求められたのは情報共有を進めて効果的に予算を使うことで、御嶽山の観測体制に影響を与えたことはありません」(気象庁関係者)

 事実をねじ曲げられてカンカンに怒った民主党は自民党に抗議。災害を利用した「政局本位の投稿」として、謝罪と撤回を要求した。

 一転して窮地に追い込まれた片山氏は10月1日、「深くお詫び申し上げます」と謝罪し、該当する投稿も削除した。片山氏がすんなり謝罪したことについて、民主党の国会議員は言う。

「プライドの高い片山氏が謝罪したのは、参院自民党の国会対策委員会のメンバーが激怒したからです。こんな低レベルの話で審議が止まったら大恥ですから」

 全面謝罪で事態は収束かと思えたが、そうではなかった。ネットなどで片山氏の過去の問題発言が、再び注目を集め始めたのだ。

「片山氏は13年5月にも、台湾人女性の話として『台湾と中国の人の最大の差は価値観。お金のため人殺しというのは台湾にはない』とツイッターに投稿し、差別発言だと批判を受けた。根拠不明の話を軽々しく言うのは議員に必要な調査能力がないからですよ」(同)

 火山同様、いったん噴き出てしまった批判を収めるには時間がかかりそうだ。

週刊朝日 2014年10月17日号