活字離れが進み、毎年約500店の書店が姿を消している。そんなご時世に、国内外から客が訪れる「珍しい本屋」がある。
ペンギンやシマウマの剥製があったり、おいしそうな食べ物の匂いが漂っていたり。本屋の枠にとどまらない、個性的な特徴を持つ。一見、書店とは思えない品ぞろえは、「(お客様に)好奇心のアンテナを立てていただけるものを置いた結果」(ダーウィンルーム)だ。
起死回生の手段として、個性派へと転身を遂げた書店もある。姉川書店は昨年6月、店内に猫本コーナー「にゃんこ堂」を設けた。もともとは一般書を中心に扱っていたが、本や雑誌が売れない。廃業も考えていた時、会社勤めの娘から「猫本」の提案をされた。今では、全国から猫好きが押し寄せ、1年前に比べ、売り上げは3割増えた。
どこにもないオンリーワン。だからこそ個性派書店は、人を惹きつける。そこに一歩足を踏み入れると、好奇心をくすぐられる、新たな本との出会いが待っている。
※週刊朝日 2014年10月3日号