9月14日から大相撲秋場所が開幕するが、現在、お客さんを呼べる人気力士と言えば遠藤。あとは大砂嵐ぐらいで、残念ながら新大関・豪栄道は影が薄いとか。

「白鵬に勝ったので突拍子もなく昇進したって感じでしたからね。その証拠に、人気を当て込んだ“豪栄道シート”なんて企画もない」(スポーツ紙デスク)

 そのシートで話題になったのは“遠藤応援シート”。タオルと自筆メッセージ入りのポストカード付きのイスBチケット5700円(税込み、5日間限定各50席)が発売後10時間で完売した。

 もっとも当の遠藤の相撲は最近、ようやく勝ち越している印象だ。今場所は大丈夫なのだろうか?

「潜在的な能力だけで幕内上位まで上ってきたわけで、プロは甘くない、ということです。今、彼の目の前にある壁は、これまで横綱になった人たちは皆、乗り越えていったもの。遠藤は体重が150キロになって体格的にも今の上位陣には追い付いてきましたし、課題である立ち合いの甘さも解消されつつありますから、楽しみですよ」(同前)

 秋場所の特別シートで遠藤の企画より話題になったのが貴乃花親方の“大相撲プレミアムシート”だ。

 ハイヤーで送迎され、升席に高級シートを用意し、4人用の席を2人で使う形にしてワインと軽食を味わいながら観戦。その後、貴乃花親方が同行し、日によってホテルのフレンチのフルコースやディナーショーなどに繰り出すという企画である。2日目から5日間限定で1日先着20人分発売し、価格は1人35万円(消費税を含め37万8千円)。それが先月末から「あまり売れていない」と相撲界で話題になっているのだ。

「若貴ブームで沸いていた当時、彼らをタニマチが一晩食事に付き合わせたりすると300万円から400万円かかる、と言われていました。それを知っている人からすれば、この価格は、むしろ安い、という話なんですよ(笑)。本場所の後半戦は優勝争いでお客さんが入りますが、前半戦2日目から6日目の平日は凹むもの。そこに何とか集客しようと総合企画部長の貴乃花親方自身が発案したので、意地にかけて売るでしょう」(ベテラン相撲記者)

 升席の中で2人並んでシートに座る観客がいれば目立つ。秋場所前半戦のテレビ桟敷の“見どころ”の一つになるのは間違いない。

(本誌・上田耕司、古田真梨子、牧野めぐみ/今西憲之、伊藤あゆみ、黒田 朔)

週刊朝日  2014年9月19日号