2位の大江麻理子アナ(テレビ東京)は、アナウンサー仲間の中でも、人気ナンバーワンです。マニアックなファンも多くて、「大江さんの歩き方が好き」とか「アハハっていう笑い方が好き」とか、とにかく大江アナの一挙手一投足にほれてしまうんです(笑)。女性として芯があり、プロ意識も高い方なので、歩き方や笑い方ひとつにも品がある。アナウンス能力も高いので、見ている人がとてもすがすがしい気持ちになるのだと思います。昨年から1年間、記者としてニューヨークに派遣された経験を生かして、「WBS」でも積極的にニュース現場に行っています。その姿勢も、キャスターとして評価されているはずです。

 3位の加藤綾子アナ(フジテレビ)は、圧倒的な男性人気を誇りますが、女性にもここまで支持されるのは、さすがです。私がテレビでアナウンサーを見るときは、台本や原稿を読んでいないときの動きに注目します。共演者に渡すべきものを、タイミングよくこっそりと渡せるかとか、試食のときにアシストできているか、などです。加藤アナは、そういう「見えない動き」も完璧なんです。キレイで愛嬌(あいきょう)があるだけでなく、間の取り方、空気の読み方に天性の勘があります。かつてフジからフリーになった高島彩アナが天才肌でしたが、加藤アナはまさにその後継者であり、場の回し方や空気の読み方においても、ナンバーワンだと思います。

 加藤アナと同じく「めざましテレビ」のメーンを務める生野陽子アナ(フジテレビ)が4位です。くるくると変わる愛くるしい表情は、生野アナにしか出せません。私は、被災地の取材で生野アナと一緒の現場になったのですが、人気アナなのにきちんと一人ひとり丁寧に自分から声をかけてインタビューしていました。「現場が騒ぎになるから」などの理由で声かけはADさんがやって、撮影時だけ女性アナが話を聞くということも多いなか、生野アナの仕事の姿勢には心を打たれました。ひたむきさも大きな魅力です。

 5位にランクインした山崎夕貴アナ(フジテレビ)は、実は、フジテレビきっての実力派です。FNN系列の新人研修で「早口言葉」の試験があったときに、山崎アナ一人だけが、最後までクリアしたという伝説があります。主婦層が多く見る「ノンストップ!」の司会に24歳で抜擢されたのも、納得です。早朝の「めざましテレビ」に出演して、続けて午前中の「ノンストップ!」にも起用されるのだから、局の期待の高さがうかがえます。

 TBSから唯一、ランクインした8位の枡田絵理奈アナ(TBS)は、私が最も好きなアナウンサーなんです。理由は、すっごくかわいいから(笑)。という男性目線になってしまうほど、局のメークルームでお会いすると、見惚れてしまいます。枡田アナは、番組の雰囲気づくりがすごく上手で、どんな大物の共演者でも、まるで家族のように打ち解けた空気にしてしまう。これは、なかなかできることではありません。学生時代からタレント活動をしていて場数を踏んでいるのと、相手の心の敷居をすっと下げることのできるスキルを持っているのだと思います。

 と、いろいろと語らせていただきましたが、私自身がまだアナウンサーとして駆け出しで、修業の身です。これからも趣味の「アナウンサーチェック」を生かしつつ、本業に精進していきたいと思っています!

(構成 本誌・作田裕史)

週刊朝日  2014年9月12日号