眞子さま萌えのファンとしてイラストを描いてきた40代男性のCG.AKAMEさんが背景を解説する。

「04年、学習院初等科の卒業式ではメガネ姿の眞子さまの映像がテレビで流れました。メガネっ娘の眞子さまのコラージュ画像がネットで流行りました」

 眞子さまのイラストを描いた30代男性の#104さんが続ける。

「学習院女子中等科の入学式を写したセーラー服姿の画像がネットで広がり人気が爆発しました。とはいえ、宮内庁の目が怖い。『Ma子様』という隠語で人目を忍びながら、ネットで魅力を語り合うファンもいた」

 眞子さまのイラストや画像を集めたファンサイトも立ち上がった。16歳の誕生日を控えた07年の秋にはニコニコ動画にイラストを集めた作品が投稿された。軽快なリズムの曲に合わせてセーラー服や体操服姿の眞子さまのイラストが次々と登場する。「眞子さま」が「ひれ伏しなさい」と叫び、男性らが「ひーめ☆ひーめ☆」と声援を送る内容だ。再生回数はなんと157万回に達し、34万件のコメントが寄せられた。

 やはり萌えのイラストをネットにアップした30代男性のkenkenさんは、動画のような現象についてこう解説する。

「絶対的な存在に憧れ、服従したいという願望をひそかに抱く人は少なくありません。僕は皇室イコール権力とは思っていません。ファンの方もそうでしょう。だが、『権力者』的な設定がなされているのは、特殊な環境下で暮らす皇室の方々はそうしたキャラ付けがしやすいだけでしょう」

 眞子さま、佳子さまとアニメや漫画をはじめとするサブカルチャーの世界が結びついたのは同時期だ。

 イラストは「皇紀」という言葉や「日の丸」などがあしらわれることも多いが、ファッションアイコンとしてとらえるファンが多い。まもなく軍事モノと美少女をコラボさせた、ミリタリー萌えへとつながった。いずれも右傾化といった言葉とは一線を画すという。

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