幽霊の写真が撮れないのは国民がサボっているから? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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幽霊の写真が撮れないのは国民がサボっているから?

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がん診療とともに、養生にも造詣が深い名医・帯津良一先生(78)と養生の達人たちとの問答、今回のお相手は、作家の椎名誠さん(70)です。死後の世界はあるはずだという点でも意見が一致して、ポルターガイスト、金縛りの話も飛び出しました。

*  *  *
帯:ところで、椎名さんは『ぼくがいま、死について思うこと』の中で死後の世界を信じていると書かれていますね。

椎:ええ、僕はあると思いますね。死後、何もなくなったら、人間の人生の計算が合わない。肉体を誕生させた力が残ると思うんです。それはどこに行くんだ! まだ精神医学とかは究極まで発達していないでしょう。わからないことがいっぱいじゃないですか。江戸時代の人が今の携帯電話とかインターネットとかをまったく想像さえできなかったように、ほんの300年後に何が解明されるか何が発明されるか、今われわれは、まったくわからない。僕は死後の世界なんか、そんなに時間がかからないうちに誰かが見つけるんじゃないかと思っているんです。ただ、その前に幽霊の存在をきちんと発見してほしいですね。

帯:幽霊ですか。

椎:今、日本は未曽有の写真家時代だと思うんです。携帯電話のカメラをみんな持って、撮ってますよね。そうすると1億総カメラマン時代。これだけチャンスが広がった。だから幽霊が出てきたら撮れると思うんですよ。でもまだ明確にきちんと撮れていないのは、国民がサボっていると思うんです。

帯:ポルターガイストを経験したそうですね。

椎:ロシアのニジニノブゴロドというポルターガイストで有名な町でした。でも、僕はまったくそんなことは知らず、たった一晩泊まっただけなんです。そうしたら、真夜中2時ごろ、隣の部屋から、ガッチャン、ガッチャン、テーブルを壁にぶつけてくるような音がするんですよ。ベッドのすぐそばの壁を鉄の棒のようなものでたたきまくってくる。でも同行のKGBに、誰かロシア人が来てノックされようが絶対にカギを開けないでくれと言われてた。みんなウオツカで酔っ払っているから何をするかわからないって。だからこっちも我慢して飲んで、あんまりうるさいからピッケルを持っていましたから、こっちも壁をバンバンたたいたんですよ。そうしたらそれに向かってガガガガガって大勢いないとできないような大騒動で。それで僕は勝ち目ないやと、そのうち疲れて寝てしまったんです。で、翌日起きて隣の部屋を見に行ったら、隣は部屋がなくて階段だったんですよ。階段からはとても、僕が寝ていた部屋の壁には届かない。

帯:そりゃ、怖いですね。

椎:たたかれているときは知らなかったから怖くなかったけど。後でロシア人に、経験できておめでとうって言われました。

 今は無人島になっているフォークランドの廃屋にロウソクの灯だけで泊まったことがあるんですが、そのときは金縛りにあいました。目だけが開いている。僕はそのあと金縛りについて、ずいぶん本を読んだんですけれども、自分の精神が自分の体を縛っているケースが多いと書いてある。しかし、そうではないなと体験者として思うんです。説明できないものなんですけれども。で、金縛りの後、もう一回、出てきたんです。わけのわからないモヤモヤした塊なんですよ。絶対に変なもんだってわかる。そこからは寝られなくなり、ロウソクで本を読み、夜明けを待った。朝、小屋の後ろのほうに行ったらありました、墓が。十字架の墓で七つぐらい。

 やたら辺境地に行きましたからね、変なものは絶対いるんだという思いがあります。

週刊朝日  2014年9月5日号より抜粋


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