プロゴルファーの丸山茂樹氏は、昔と今とでは子どもが考えるゴルフのイメージが違うとこう感じたという。

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 未来のゴルフ界を背負っていく子どもたちとふれ合ってきましたよ!

 8月18日、東京都杉並区にあるゴルフ練習場「ハイランドセンター」で、「丸山茂樹ジュニアファンデーション サマーキッズチャレンジ2014」を開きました。

 参加してくれたのは小学1~4年生の36人。そしてプロゴルファーやコーチは、伊藤誠道、小達敏昭、川岸良兼、小平智、小林正則、内藤雄士、原口鉄也、深堀圭一郎、増田伸洋、宮本勝昌、横尾要、横田真一という豪華な面々が駆けつけてくれました。

 午前中はレッスンをして、午後から7ホールのショートコースでラウンド。これは一応試合形式にして、表彰もしました。最後に僕も参加してスイカ割り。素晴らしいイベントになったと思いますよ。

 子ども相手に、ずーっとレッスンをやってもダメなんです。大人が「ああだよ」「こうだよ」と突っ走っても、子どもは理解できないから、ついてこない。興味があることでないと、子どもたちの耳には入っていかないんですね。だから遊び心を入れた形でゴルフの楽しさを伝えながら、進めていきました。

「いいねー」って褒めてあげて喜ばせてあげるのが非常に大事で、しかもそれを一流選手に言ってもらうことで、余計にうれしくなる。やる気も出るはずなんです。

 
 いろいろ質問してくる子もいましたよ。「ボールがドライバーの芯に当たらないのはどうしてですか」って言うから、目の前で打ってる姿を見て、「ボールに対して近くで打ちすぎだよ」とか、「バックスイングを上げたときに目を離しちゃいけないよ」とか、ほんとに単純なことですけど、「しちゃいけないよ」という内容のことは、親御さんも来てらっしゃいましたから、ちょっと強調しておきました。

 それにしても、みんな上手。僕らの小さいときは、ゴルフの上手な子があれだけそろってるなんてのはなかったですね。やっぱりゴルフというスポーツが、そこまでポピュラーじゃなかったから。テレビ番組にたとえると、子どもにとって野球がアニメなら、ゴルフは時代劇って感じでした。オジサン臭い、みたいな。僕も自分のやってるゴルフのことを、学校の友だちと話すのに苦労しましたもん。

 それで子どもたちに聞いてみたんです。「いまでも『ゴルフはオジサン臭い』って言われるの?」って。そしたらある子が「そんなことない。『渋いね』って言われる」って。笑っちゃいました。「渋い」って。

 石川遼や松山英樹の登場によって、ゴルフというスポーツのとらえられ方が変わってきてますよね、子どもたちの間で。

 子どもたちにとっては、プロゴルファーと遊んだっていうのが、いい思い出になるんじゃないですか。今回参加してくれた子たちが中学生ぐらいになって、「俺、あの人たちとスイカ割りやったよ」「私、あの選手とショートコース回ったことあるよ」って。

 こういうイベントは、どうしても関東圏だけに偏った感じがあるので、日本中いろんなところでやってみたい。僕の夢ですね。

 雄士、今回は練習場を貸してくれてありがとう!

週刊朝日  2014年9月5日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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