日本初のサウナ専門誌「saunner」(小学館)が3万部の大ヒットとなり、「中高年男性の娯楽場」というイメージの強かったサウナは今や幅広い年齢の男女が楽しむおしゃれスポットへと変貌しつつある。

「最近は女性のお客様のほうが多いくらいで、時間帯によっては9割が女性ということもあります。早い時間帯は年配の女性が中心で、遅い時間には若い女性や、女性に連れられてきた若い男性も多くいらっしゃいます。今のサウナブームは、健康志向の女性から広まったのでしょう」

 こう語るのは、東京都杉並区の天然温泉施設「なごみの湯」の坂本浩さん。同施設には天然温泉の露天風呂のほか多種類のサウナや岩盤浴があり、連日おおぜいの客で賑わう。

 中でも人気なのは、毎日4~6回開催している「ロウリュウ」だ。ロウリュウ(ロウリュとも)とはフィンランド式サウナの入浴法の一種。高温に熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させ、タオルを回すなどして熱風を体に浴びせるというものだ。同施設では、レベル1「すっきりロウリュウ」からレベル5「ハイパーロウリュウ」まで5段階の熱さを日替わりで体験できる。

 記者もレベル4「アツアツロウリュウ」を体験してみた。中央にうずたかく積まれた石にアロマ水がジュッとかけられ、蒸気とともに良い香りが……と次の瞬間、顔面にブワッと焼けつくような熱風が襲ってきた。

「あ、熱っつ!」

 記者だけではない。6畳ほどの室内にひしめく約40人の男女が口ぐちにそうつぶやきながらタオルで顔を覆う。猛烈な熱風攻撃に耐えること約10分。汗だくになって外へ出る。ロウリュウ隊隊長でもある坂本さんはこう言う。

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