1月末、STAP細胞について笑顔で説明する笹井氏ら (c)朝日新聞社 @@写禁
1月末、STAP細胞について笑顔で説明する笹井氏ら (c)朝日新聞社 @@写禁

 STAP細胞論文の主要著者の一人で、衝撃的な自殺を遂げた理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長の遺族が8月12日、弁護士を通じ、「あまりに突然の出来事を受け入れることができないでおります。この半年があまりに長く、私どもも疲れ切っております。今は絶望しか見えません」とのコメントを発表した。

 会見した弁護士によると、妻と兄宛ての遺書2通が残されており、「今までありがとう」などの感謝の言葉が書かれていたほか、「マスコミなどからの不当なバッシング、理研やラボへの責任から疲れ切ってしまった」など自殺の理由が記されていたという。

 本誌の取材で謎に包まれた笹井氏の自殺前の行動がわかってきた。死の数日前に行方不明になり、家族が捜し回っていたというのだ。大阪府内に住む笹井氏の母親の知人女性が明かす。

「芳樹君が亡くなる3日前、お母様と電話でお話ししました。その時、『芳樹がどこにいるか、居場所がわからなくなっていて、家族で捜し回っていた』と困惑されていました。大丈夫ですか、と尋ねると、お母様は『(医師の)兄さんが"無事か"と出したメールに芳樹から"元気ではないけど、生きています"という返事がとりあえず来たので安心した』と。私があまりクヨクヨしたらあかんよ、と言うと、『STAP細胞の問題に早くケリをつけて、やり直してほしい』とおっしゃっていた。その矢先に、報道で自殺を知り、本当に驚きました」

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