龍谷大平安は、3年生右腕の中田竜次、「左のライアン」と呼ばれるダイナミック投法でセンバツ優勝にも貢献した2年生の高橋奎二など、投手陣は抜群の安定感を誇る。また、切れ目のない打線と走力を加えた得点力は、他校にとっては脅威。古豪ならではの勝負強さも光り、総合力では優勝候補の1番手と言えるかもしれない。

 藤浪晋太郎(現・阪神)を擁した2012年以来、2年ぶりの全国制覇を狙う大阪桐蔭は、香月一也、峯本匠、森晋之介といった昨夏の経験者が顔をそろえる。大阪大会準決勝では、今春のセンバツ準優勝校である履正社を6対2で粉砕した。その強力打線は、例年どおりチームのカラーになっている。甲子園の戦いを熟知した西谷浩一監督のもと、持ち前の打力で優勝旗をつかみにいく。

 そしてもう一つ。甲子園優勝経験校にして、昨秋の明治神宮大会を制している沖縄尚学も実力は本物だ。「琉球のライアン」こと、3年生右腕の山城大智は、左足を大きく振り上げる独特の投球フォームから140キロ台の球威あるストレートを投げ込む。エースを中心とした守備力に磨きをかけた今夏は、十分に頂点を狙える戦力と言える。沖縄尚学のエースとして99年のセンバツで優勝、母校の監督となり08年のセンバツで再び日本一を経験した比嘉公也監督の采配にも注目が集まる。

週刊朝日  2014年8月15日号より抜粋