実力伯仲、混戦必至――。地方大会で注目選手を擁する有力校がことごとく敗れ去る中、第96回全国高等学校野球選手権大会は「大本命なき接戦」が展開されそうだ。

 優勝候補を挙げるとすれば、過去に甲子園優勝経験がある4校だ。

甲子園(イメージ)
甲子園(イメージ)

 全国最多190校が出場した神奈川大会を制し、4年ぶりに夏の甲子園に帰ってくる東海大相模は、投打ともに全国トップクラス。 投手陣は、3年生右腕のエース・青島凌也、県大会決勝で20奪三振(神奈川大会タイ記録)の快投を演じた2年生右腕の吉田凌をはじめ、ベンチ入りする4投手がすべて140キロ台のストレートを誇る。

 攻撃陣は上位、下位に関係なく、どこからでも得点できる。神奈川大会でのチーム本塁打は11本を数え、その超強力打線は甲子園でもひと際輝きを放ちそうだ。神奈川大会決勝を終えて、東海大相模の門馬敬治監督は誓った。

「甲子園でも最後の最後まで諦めずに戦い、タテジマのプライドを胸に頑張りたいと思います」

 ちなみに、今夏の甲子園にはタテジマのユニホームである東海大系列の高校が複数登場する。東海大相模のほか、東海大四(南北海道)、東海大望洋(千葉)、東海大甲府(山梨)。東海大系列の4校出場は過去最多だ。

 かつて東海大相模を率いた名将・原貢氏(享年79)が亡くなったのが今年5月29日のこと。目に見えない力が加わり、甲子園でも「東海大旋風」が巻き起こるかもしれない。

 西に目を向ければ、春夏連覇を狙う龍谷大平安(京都)と、激戦区大阪を制して夏は3年連続出場となる大阪桐蔭が実力校。

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