室井佑月 中国産チキン問題に「国産品を増やすしかないのでは?」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月 中国産チキン問題に「国産品を増やすしかないのでは?」

連載「しがみつく女」

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 他国の人の意識を変えるのは大変だし、日本はこれから人口が減ってゆく(生産者も減るが消費量も減る)。国内産の食料を増やしていくんだ、という目標を持つことが大事ではないかと思った。

 別のコメンテーターは、

「海外の工場に食品を委託する場合でも、信頼できる責任者をその場に置けないか」

 というようなことをいっていたっけ。

 だよね。なぜ、そんな風になっていないのか。だって、あたしたちは輸入してきた企業を信じて食べるのだ。中国産問題ははじめてじゃない。そのくらい考えてくれてもいいのに。

 つまり、日本の企業だって儲け至上主義だってことだ。一円でも儲けたい企業は、コストカットに余念がない。工場に見張りをつければ人件費が増す。

 7月26日付の日刊ゲンダイにこう書かれていた。

「こうした問題が起きるたびに、日本のメディアは中国をぶっ叩くが、それだけでいいのか。中国人のモラルの低さを百も承知で、中国産を輸入し、売っているのは誰なのか。日本人の経営者も同じく、批判されるべきなのだ」

 あたしもそう思う。広告などの都合により、輸入メーカーや、販売会社を叩けないのはわかるけど。たとえば企業が、この国で働く人間を大切にし、自社の宝として扱ってみるだけで、少しはこの国の生産性だって上がると思わないか?

 それができなければ、日本の労働者も、中国の労働者のようにモラルが低くなっていくだけだ。

 そうなりつつあるようで、消費者としては怖いところだ。

週刊朝日  2014年8月15日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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