そして小学校6年生だった2010年12月、同級生の給食に漂白剤などを混入する事件を起こし、登校しなくなった。母親は関係者に土下座せんばかりに謝って回ったという。

 中学校では再び登校を始めたものの、生き物への残虐行為はエスカレートする一方だったようだ。前出の同級生の男子高校生は、こんなやり取りを振り返る。

「『ネコの目って知ってる? コロコロしているんだ』とAが言うので、なぜ、そんなことを知っているのかと尋ねたら、『ネコの首を掴んで、目をえぐって取った。足をナイフで切ろうとしたが、なかなか切れんかった』と表情一つ変えずに言った。ネコはエサを使っておびき寄せた、と説明し、頭のいいAらしいと思ったが、ドン引きした」

 少女Aの母親は生前、同級生の保護者にこんな不安を漏らしていたという。

「親でも想像できないいたずらをし、その度が最近、超えていて困っている。人にいたずらを見せて喜ぶようなところがある。私の前ではおとなしくしていたが、お友達にひどいことをしても、『それみたことか』と逆なでするようなことを平気で言う。うちの子は人の気持ちがまったく理解できないみたい」

(本誌・今西憲之、上田耕司、山岡三恵、小泉耕平、牧野めぐみ)

週刊朝日  2014年8月15日号より抜粋