田中と球団は手術を回避したいが、周囲は手術をしたほうがいいとみている──そんな構図のようだ。

 こんな情報もある。

「靱帯を修復するトミー・ジョン手術は術後、むしろ球速が増す、と言われますが、それが期待できるのは肩肘を酷使していない投手です。好例が、松坂大輔と田沢純一。高校時代から甲子園でも活躍してきた松坂の肘は断裂した部分以外も弱っていて、靱帯を1本しか結べなかったようです。一方、あまり使い減りしていなかった田沢の肘は3本結べた、と。だから術後、田沢は成長したけど松坂は苦労していると言われている。マー君は松坂以上に高校時代から甲子園で投げているし、早く手術するべきだと思いますね」(別のスポーツ紙デスク)

 18日、DL入り後初めてヤンキースタジアムに現れたマー君の表情は穏やかだったが、無理をして「完全断裂」などという悲劇が起こらぬよう、慎重な判断を期待したい。

(黒田朔)

週刊朝日  2014年8月8日号