2014年夏のドラマを徹底解剖。苦戦しているドラマも多いようで……。

 大人世代の共感を狙ったのが「同窓生~人は、三度、恋をする~」(TBS系、木曜)だろう。

「東京ラブストーリー」や「あすなろ白書」などトレンディードラマをいくつも生み出した柴門ふみ原作。個性的な役を多く演じてきた井浦新が連ドラ初主演を果たした。稲森いずみ、板谷由夏、松岡昌宏に加え、EXILE随一の演技派とされるMATSU(松本利夫)がDV夫として出演するなど、役者のうまさは注目だとか。ただ、“おネエ”映画ライターのよしひろまさみち氏は、ややご不満のよう。

「前クールの沢尻エリカの主演ドラマでもノっていた板谷など、役者はいいけれど、内容が『ないな』って感じよ。40歳すぎて同窓会で集まって、恋に落ちる、なんて。私たち世代はもっと現実的で、振り返りませんって。本当に役者に罪はないのだけれど……」

 そんな役者泣かせの作品もあれば、作品泣かせの役者もいる。

 
 宮部みゆき原作の「ペテロの葬列」(TBS系、月曜)の主演は、元首相の父に人気議員の弟と、家柄の良さやクリーンなイメージは芸能界最高峰の小泉孝太郎。「毒にも薬にもならない」(テレビコラムの連載を持つライターの吉田潮氏)と、評価は手厳しい。ただ、バスジャック事件をきっかけに展開するミステリーで、ストーリーは引き付けるものがあるという。

 往年の二枚目俳優が満を持して主演を飾った作品も苦戦している。

 陣内孝則主演の深夜ドラマ「獣医さん、事件ですよ」(日本テレビ系、木曜)は、

「“寅さん”風味で、毎回患者に恋をする、というのは手あかがつきすぎている。それに輪をかけて今の陣内がやるとどうにも痛々しくて」(吉田氏)

 柳葉敏郎が15年ぶりに地上波連ドラ主演を飾る「あすなろ三三七拍子」(フジテレビ系、火曜)も、初回視聴率は低空飛行。剛力彩芽や演技派の風間俊介、反町隆史も出演する。

「反町は『俺、まだ現役』と言わんばかりに腹筋を見せていましたけど」(同)

 起爆剤にはならなかったようだ。かつて高視聴率をマークした元祖GTOも、今回は貢献できず、か。

週刊朝日 2014年8月1日号より抜粋