精子の運動率を改善する手術とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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精子の運動率を改善する手術とは?

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 洋介さんは精液検査の結果、精子の運動率が悪く、手術をすすめられた。手術の方法はいくつかあるが、洋介さんが受けたのは「顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術」だ。陰嚢の付け根部分を2、3センチ切開して静脈をしばる方法で、手術時間は1時間程度。一般的には入院が必要だが、同院の場合、局所麻酔で日帰りが可能だ。デスクワーク程度なら翌日から仕事ができ、1週間後には運動や性交もできる。自費診療のため、費用は20万円程度だ。腹部を切開して高い位置にある静脈をしばる「高位結紮術」の場合は、保険が適用され10万円以下になるが、全身麻酔で入院が必要だ。

 同院では手術後、約80%の精子濃度や精子の運動率が改善している。術後の自然妊娠率は24~53%だ。洋介さんも精子の運動率が自然妊娠を望めるまでに改善し、現在経過観察中だ。

 手術の効果は精索静脈瘤が進行しているほど高い。軽症の場合は治療効果が得られないこともあるので、手術は推奨されていない。

 不妊症だと、まず女性が婦人科を受診する場合が多いが、婦人科で精索静脈瘤の診断はできない。精液検査で問題があっても原因を特定しないまま、体外受精をすすめられる場合もある。

「泌尿器科を一回でも受診していただければ、精索静脈瘤は診断できます。精子の老化も加速しやすいので、できるだけ早く受診してください。手術をすると人工授精や体外受精による妊娠率も上がることがわかっています」(永尾医師)

 泌尿器科でも精索静脈瘤の手術ができる施設は限られる。日本生殖医学会が認定する生殖医療専門医がいるかどうか、精索静脈瘤の手術を実施しているかどうかを確認して受診したい。

週刊朝日  2014年7月25日号より抜粋


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