野球界のスター選手“海外流出”を防ぐには (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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野球界のスター選手“海外流出”を防ぐには

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
セガサミーカップ前に丸山茂樹(左)と練習する松山英樹(7月1日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)(c)朝日新聞社 

セガサミーカップ前に丸山茂樹(左)と練習する松山英樹(7月1日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)(c)朝日新聞社 

 球界の活性化には、もう一つの要素を考えなければいけない。それは、スター選手の海外流出をどう防ぐかだ。力のある人間は、よりレベルの高い世界で戦いたくなる。でも、レベルだけではない。メジャーリーグの天然芝のにおい、球場全体の雰囲気、天気によって左右される試合……。野茂英雄から始まって、そんなところに憧れて海を渡った選手は多い。年俸が何十倍にも跳ね上がることだけが理由じゃないよ。

 球界も、一段上のことを考える必要がある。天然芝だった頃の球場の雰囲気づくりだよね。子どもがグラブを持って球場に来る。選手がそれを見つけて、スリーアウトになった時にボールを渡してあげる。そんな選手との距離感を近づける方策も一つだろう。女性ファンを意識して、洗練された空気ばかりを追い求めると野球少年が入りづらくなる。プレーしている選手も何を感じているかな。これまで以上に、現場とフロントが一体となって考える時が来ていると思う。

 メジャーリーグは、スポンサーとの付き合いも密接だ。試合のない休日には監督や選手がパーティーに足を運ぶ。スポンサーのため、松坂大輔はレッドソックス時代に1日平均50枚以上のサインを球団から頼まれていた。現場のスポンサーへの意識は、メジャーリーグが上だと感じる。スポンサーもより力を入れてくれるようになる。

 隆盛にある他の競技、苦境にある競技の取り組みから学べることもたくさんある。男子プロゴルフも今、必死に活性化への努力を続けている。2020年には東京で五輪が開催される。野球も競技復活の可能性が残されているのだから、もっと盛り上がらないと。

 私も球界のOBとして、スポーツ界の「今」をさらに知りたいと思っている。

週刊朝日  2014年7月18日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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