配当のいい企業を探すにはどうしたらいいのか。自動車販売が伸び6年ぶりに純利益が最高になったトヨタ自動車は、年間配当額(1株あたり)を前の期の90円から165円に増やした。引き上げ額が大きく、高い配当額だが、この配当がワリがいいかどうかは別だ。

 トヨタ自動車の株価は7月2日の終値で6209円。これに対して配当は165円なので、配当金の利回りは2.66%となる。一方、日産自動車の年間配当額は33円とトヨタ自動車の5分の1だが、株価が984円なので、配当利回りは3.35%とトヨタを上回る。

 このように「配当利回り」がいい企業は、配当額だけではわからない。

 そのため本誌は、東証1部、2部、ジャスダック、マザーズに上場する銘柄から、配当金の利回りが3%以上の株を藤本氏に算出してもらい、その26銘柄を一覧表にした。

「現在、大手行の定期預金1年ものの金利は0.025%なので、3%を超える配当金は利息と比べると120倍以上の差があります。インフレや消費税増税分を取り戻すためにも、日本の株がまだ割安のうちに買っておくのも手だと思います」(藤本氏)

 一覧表を見ると、総合商社や医薬品、自動車関連メーカー、情報・通信業などの企業が目立っている。多くの銘柄に共通することは、日本企業にイメージされる「高い技術力」を武器にしていないため、外国人投資家から注目されにくい傾向がある。しかし、企業の業績が悪いわけではない。むしろ、個人投資家から見ると、安い投資で高いリターンが見込める「お宝銘柄」なのだ。

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