俳優・松村雄基 大映ドラマ全盛期から20年間も介護を続けていた! (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

俳優・松村雄基 大映ドラマ全盛期から20年間も介護を続けていた!

このエントリーをはてなブックマークに追加


 症状は少しずつ、でも確実に進んでいきました。おむつの交換はもちろん、便秘のときには便をほじくり出しました。祖母のプライドを傷つけるんじゃないかと躊躇(ちゅうちょ)することもあったけれど、やらなければ祖母がもっと苦しむ。目の前の介護に精いっぱいで、あれこれ考える余裕なんてありませんでした。

 在宅介護10年目、いよいよ家族だけでは限界を感じ、特別養護老人ホームに入ってもらうことにしました。その決断を私が伝えると、祖母が言ったんです。

「いいよ。おばあちゃん、行くよ」

 そのときのことを思い出すと……。本当は家や家族と離れたくなかったかもしれないのに、とっても優しい笑顔だった。

 それから10年間、特養で過ごし、88歳で眠るように逝きました。穏やかな最期でした。
 最近、20年にわたる祖母を介護した日々を振り返って思うんです。

 まだ一緒に暮らしていたころ、夜中に二人で話していると、祖母がときどきはっきりすることがあって、「あんなことがあったね」「楽しかったね」と思い出話ができた。介護は大変だったけれど、おばあちゃんの孫としてゆっくり向き合えた時間は、私にとってはかけがえのない宝物です。

週刊朝日  2014年7月4日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい