夜の海岸で携帯電話を天にかざす人々。今年の世界報道写真コンテスト大賞作だ。幻想的で、“報道写真”らしからぬ印象を受ける。審査員を務めたニューズウィーク日本版フォトディレクターの片岡英子さんは言う。

「審査では、一瞬で受ける衝撃の大きさは優先されず、見る者の視線を長く引きつけ、考えさせるきっかけをくれる写真が評価されました。自らの経験や知性、想像力を総動員して、写真と対話しながら世界を読み解いてみてはいかがでしょうか」

 今年は132の国と地域から約10万点の作品が寄せられた。「世界報道写真展2014」では、入賞作約140点を展示。レンズが見た、世界各地の現実が垣間見える。

週刊朝日  2014年7月4日号