福岡県筑後市のリサイクルショップ従業員の日高崇さん(当時22)を殺害した疑いで、中尾伸也容疑者(47)と妻の知佐容疑者(45)が逮捕された。伸也容疑者は知佐容疑者に促され、普段から従業員に対して暴行をしていたという。

 夫を意のままに操って暴力で従業員を支配するなど女帝の如く君臨した知佐容疑者はどんな人物なのか。

「今、報道で写真が出ているのを見てもわかりますが、すごい美人でした。中学時代はバレーボール部のキャプテン。背が高くて、アタックもうまいし、上手でした。明るくてリーダー的な存在で頭もよかった。ただ、その半面、自分の思いどおりにならず気に入らないと、無視したり、口を利かなくなる。感情の起伏が激しいところがありました」(同級生)

 地元の高校に進学。有力銀行への就職も決まっていたが、知佐容疑者の生活は荒れていたという。知佐容疑者が住んでいた団地の近所だった人が言う。

「父親がギャンブル好きで、生活はいつも苦しく、一つの豆腐をきょうだい分け合って食べていた時期もありました。彼女がいつも下のきょうだいのご飯、お弁当を作っていた。食べ物がないときは近くの駄菓子屋で『万引きしてこい』と命令していた。よく弟が『お姉ちゃんに万引きしてこいと言われた』と話していた」

 
 そんな生活に耐えられなかったのか、知佐容疑者はあと数カ月もすれば卒業という時期に突然、島から姿を消した。

「島にいた彼氏と駆け落ちしたんです。銀行への就職も内定し、卒業の何カ月か前なのでびっくりした。家出する前、急に友人に呼びかけ、『妊娠したから出産費用をカンパして』などとみんなからお金をかき集めましたが、嘘だったようです。実際は家出で、関東で働いていたが、数カ月後に連れ戻されていた」(別の同級生)

 しばらく後、また島を出て、対岸の広島県で仕事をするようになったという。

「珍しく島に帰ってきたんだけど、すごく派手な格好。聞けば、広島、福岡などで水商売をやっていて、儲かるんだと話していた」(知佐容疑者の幼なじみ)

 だが、その後、ほとんど音信がなく、6年ほど前に親族の葬儀があり、久しぶりに島に帰ってきた。そのとき、伸也容疑者と一人娘を連れていたという。

本誌取材班=今西憲之、上田耕司、馬場勇人

週刊朝日  2014年7月4日号より抜粋