ブラジルW杯後の勇退が報じられているザッケローニ監督。すでに次期代表監督候補のリストアップが始まっているようだ。

「ザックは、日本の文化や習慣を理解し、一緒に歩めるタイプ。(日本サッカー)協会が望む方向性にマッチしていたので、この流れを生かせる人が理想的です」

 と外国人路線を推すのは、「Jリーグサッカーキング」青山知雄編集長。

 一方、サッカージャーナリストの北條聡氏は、こんな見方をしている。

「日本に必要なのは、相手陣地でボールを奪って攻めること。守備でも積極的に切り込む戦術をとれる監督でなければ勝てません」

 ではその条件にかなうのはだれか。奇しくも青山氏と北條氏は同じ人物の名前をあげた。

「今大会で前回王者スペインに圧勝した、チリのホルヘ・サンパオリ監督です」

 ならば、4 年後の代表選手の顔ぶれはどうなっているだろうか。

 
 エースの本田圭佑は今大会を“集大成”と言っているが、「4年後でも32歳。今の代表の遠藤保仁(34)より若いので、本人のモチベーション次第でしょう。遠藤に近い能力がある青山敏弘(28)の成長にも注目です」(北條氏)

 現代表23人のうち、12人が欧州リーグで活躍。特に長友佑都(27)や内田篤人(26)、岡崎慎司(28)、香川真司(25)らはトップレベルのチームで奮闘していて、しばらくはイスを譲りそうにない。

 伝統的に中盤に豊富な人材をそろえる日本、若い世代も例外ではない。

「欧州王者の独バイエルン・ミュンヘンでの経験もあるG大阪のMF宇佐美貴史(22)の将来性に期待です」(同)

「今季Jリーグでブレークした清水の長身FW長沢駿(25)。それに、C大阪の南野拓実(19)、鹿島の柴崎岳(22)らの成長は楽しみですね」(青山氏)

 さて、日本サッカー界のレジェンド、釜本邦茂氏は4年後をどう見据えているのか。

「Jリーグが開幕して約20年、指導者も育ってるんだから、日本人監督でやってみるのも一つの方法だと思う」

「日本最高のFW」と名高い釜本氏こそ適任なのではないかと本人に尋ねると、「僕は手をあげませんよ。体力的にも厳しいですし」。

 ザックからパスを受けるのは誰か。

週刊朝日  2014年7月4日号