松平健「肉団子、唐揚げ、息子のお弁当を作り、勉強の日々」

 今年還暦を迎えた俳優松平健は、恩師である勝新太郎の言葉を胸に「まだまだ新しいことに挑戦したい」と語る。

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 60歳の誕生日を迎えましたが、まだまだ役者人生の折り返し地点だと思っています。今までの経験を生かして、後半戦につなげていきたいですね。役者として最も影響を受けたのは、もちろん勝新太郎先生です。

 はじめてお会いしたのは劇団に所属していた20歳のとき。勝先生はいきなり、「京都へ来い」とだけおっしゃった。「役がいただけるのかな」と期待して実際に行ってみたら、「俺に付いて芝居を見て勉強しろ」と。半年間は付き人をしながら必死に学ぶ日々でした。

 今でも現場では勝先生の演技が思い浮かびます。多くを語る方ではありませんでしたが、「芝居には間が大切だ。何でもまねをしろ」と言ってくださいました。

 勝プロダクションでのデビュー作は1975年に放映された「座頭市物語」の第23話「心中あいや節」。勝先生は自然な演技が好きだったので、何回も同じことをしていると、「飽きた」と言われてしまうんです。現場では「セリフを覚えてくるな。相手の芝居を受けて自然に出てきたものがいい」と指導を受けました。

 78年に「暴れん坊将軍」の主役に抜擢されてから言われたのは、「将軍を演じるならいい店で飲め」ということ。身銭を切って遊んだので、借金を抱えてしまった時期もありました。でも、銀座のクラブなどに通っていると自信がついてくるんです。吉宗公の役作りに生かすことができました。

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